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しかし、非常時というのはこのようなものである。JPモルガンのジェミー・ダイモンCEOの「株主への手紙」は私が読んだなかで最も優れたものであり、皆さんもぜひ参照してください(筆者注:後で参照してみたが、28ページにわたりCEOとしての考えを株主に詳細に説明している。日本の金融機関の経営者・IR担当者にもぜひ参照してもらいたい)。
今回、BHの株主総会に参加してみて、バフェット氏がいかに株主・投資家とのコミュニケーションを大切にしているかを実感した。彼が株主総会と同様に重要視しているのがARである。ARを重視するだけあって、BHのARは株主・投資家が知りたいことを詳細に説明している。ただし、彼はカラフルな写真や図表で見栄えを良くしたARが嫌いであり、BHのARは文字と数字のみである。バフェット氏が投資先企業を探す際に最も重要視しているのも各企業のARである、というのは有名な話である。彼は毎年何百冊というARを読んでおり、これを長年にわたって続けている。質疑応答のなかでも、JPモルガンのジェミー・ダイモンCEOの「株主への手紙」に言及していたが、彼の地道な努力の一端がうかがわれる。一方、彼はアナリスト・レポートはまったく参照していない。
バフェット氏が信頼される背景には、彼の経営(投資)パフォーマンスの実績がある。IR活動において、中期経営「計画」は重要であるが、「実績」が伴わないと「信頼性」が築かれないのと同じである。08年版の「バフェット氏から株主への手紙」によると、2008年度のS&P500インデックスは前年比37%減であったが、BHのBPS(一株当り純資産)は同9.6%減にとどまった。(図表1)
BHのBPSの1965年から2008年までの44年間の“年平均”増加率は20.3%で、S&P500の同8.9%と比較して約2.28倍のパフォーマンスとなっている。もっとすさまじいのは、44年間の”累積“パフォーマンス格差である。(図表2)